書籍
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種の起源 [下]
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いまさらいうまでもない歴史的名著だが、現代の「進化生物学入門」みたいな本とくらべると、分量も多く決して読みやすくはない。中身は『光学』のニュートンも真っ青の、観察事実とその考察のオンパレードで、勿論(?)数式などまったく用いず、ねちっこい文体でひたすら書き進めている。でもまさにそういうところが、少年時代には劣等生ともいわれた、偉大な博物学者ダーウィンの真骨頂なのだね。宗教や政治に関する論争なんかにまきこまれて、さぞかしいやだっただろうと想像する。
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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種の起源 [上]
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なぜ中巻がないのか?(その点に疑問があるので「星4つ」。)ちゃんとしたレビューは「下巻」のところで書きます。
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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光学
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「古典力学と微分積分を大成した数理科学者」という評価とは、まったくちがうニュートン像が楽しめる好著。光とレンズやプリズムや水滴に関する実験事実を、数式をほとんど使わず普通のことばだけで、克明に書きつらねていく。数式を用いて世界の「様相を記述した」ニュートンも、光や物質などといった物理的存在の「本質」をめぐる思弁的考察においては、かなりの苦戦を強いられ、観念があちらこちらに飛んでいたことがよくわかる。
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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自然発生説の検討
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本書が刊行された1860年代というそれほど遠くない時代にまだ、細菌や酵母のような小さな生物についてはまだ(それらは発見されてから間がなかったとはいえ)、自然発生を信じる者が少なくなかったということにおどろく。「白鳥の首」フラスコ等を用いて「初歩的にもみえるが厳密な」実験をくりかえしたパスツールに、人類がどれほどの恩恵をこうむっているかは、たとえば牛乳の「パスツール処理」などということばをひとつとってもあきらかであろう。
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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数について : 連続性と数の本質
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「数直線の『切断』による実数に定義」で知られる数学者の小冊子2編に、大変懇切な「訳者解説」を付す。「以下に述べる「事物」とは我々の思考の対象となるものなら何でもいいという意味である」などという文は、現代の数学論文にはまずあらわれないであろうが、そういう哲学とみまがうような表現をふくんでいればこそ、「連続」という世界の性質(というかむしろ、論理の性質?)をめぐって苦闘した数学者の息づかいが伝わってくると思う。
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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雪
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「雪は天からの手紙」という博士のことばはあまりに有名だが、いま読み返して感じるのはそういう文学的な(?)ことよりも、むしろ「形」に対する物理学者のあくなき興味である。本来ならハチの巣状(六角形)の単純なくりかえし構造を作るべき水分子たちが、どうしてあれほど雑多な形たちを生み出すのか?巻頭の顕微鏡写真は多くの「美しくない」ものをふくむが、そういうのもあるからこそだろう、見ていると本当にあきない。
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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ハンドブック 市民の道具箱
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訴訟や記者会見のことは勿論、「NPOに対する助成金」のことまでのっている内容には、「道具箱」というより、おもちゃ箱いや武器庫をのぞいているような楽しさがある。内容が雑多でつかみどころがない、と思う方にこそおすすめ…なのだが、実際には「仲間」たちと一緒に読むのがいいのかもしれない。(「インターネットを活用したいとき」の著者が小野田さんだったのには、ちょっとびっくりしました!)
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杉野実
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2024年7月11日
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書籍
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空と海と大地をつなぐ雨の辞典
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編著者「レインドロップス」が巻末の個人名をみても正体不明なのだが、それもそのはず(?)「雨水利用を進める全国市民の会」のメンバーだった。したがって紹介されている雨水利用の事例は豊富で、技術的な事項もくわしく解説されている。芸術や民俗に関する記事が多いのもうれしいが、そちらはやや散発的か。
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杉野実
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2024年7月11日
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